八丁(読み)ハッチョウ

デジタル大辞泉 「八丁」の意味・読み・例文・類語

はっ‐ちょう〔‐チヤウ〕【八丁】

1丁の8倍の長さ。また、1町歩の8倍の広さ。
八つ道具を使いこなす意。「八挺」とも書く》物事に達者であること。「口も八丁、手も八丁

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精選版 日本国語大辞典 「八丁」の意味・読み・例文・類語

はっ‐ちょう‥チャウ【八丁・八町】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 一丁の八倍の長さ。一町歩の八倍の広さ。
      1. [初出の実例]「凡位田〈略〉正五位十二町、従五位八町」(出典:令義解(718)田)
    2. ( 「八挺」とも書く。八つの道具を使いこなす意 ) 物事に巧みなこと。達者であること。少し卑しめていう。→口も八丁手も八丁
    3. はっちょうぐるま(八丁車)」の略。
  2. [ 2 ]
    1. [ 一 ] 江戸時代、滋賀県大津市にあった旅籠(はたご)屋町のこと。東海道の下りの最初の宿で、上八町・下八町に分かれていた。大津八丁。
    2. [ 二 ] 江戸新吉原の日本堤のこと。

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日本歴史地名大系 「八丁」の解説

八丁
どろはつちよう

北山川峡谷瀞峡どろきようと称し、下流部約一・二キロの下瀞を俗に瀞八丁という。最も峡谷美に優れ、中生代の珪質岩の中を川が貫入蛇行、入口を洞天門どうてんもんという。水深は最も深い涵玉潭かんぎよくたんで平均二〇メートル。両岸は高さ二〇―三〇メートルの懸崖をなし、夫婦めおと岩・かめ岩・屏風びようぶ岩・寒泉かんせん窟・山彦やまびこ橋・母子滝ははこのたきすべり岩・天柱てんちゆう岩・鶏冠とさか岩などの奇岩・奇勝が展開する。峡谷には原始林が覆いかぶさり、岩間には躑躅・石楠花などが自生

「続風土記」は「奇巌石壁左右対峙して互に勢を争ひ、石壁の上密樹欝茂して川上を覆ふ、水色藍の如く(中略)其景亦他に其数を見す」として「土俗是を八町の泥といふ」と記す。


八丁
どろはつちよう

和歌山・奈良・三重の県境を流れる北山川は、その中流付近で峡谷となり、上流よりおく(二八キロ)かみ(二キロ)しも(一・二キロ)に分れる。紀和町の小船こぶねから上流へ一・四キロさかのぼると下瀞に達する。下瀞は瀞八丁とよばれ、国指定特別名勝・天然記念物。瀞八丁は両岸が切立ち、その成因は滝壺が後退して淵となったもので、瀞とは水の静止したような深淵をいう。

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