八事廃堂(読み)やごとはいどう

日本歴史地名大系 「八事廃堂」の解説

八事廃堂
やごとはいどう

[現在地名]昭和区天白町八事

八事丘陵の標高七五メートルの地にあった小堂跡。昭和三五年(一九六〇)の調査によれば、地表を削って平坦面を作り、東西二メートル・南北一メートルの小堂宇を建てたもので、密教に関係のある遺跡と考えられた。出土遺物は、丸瓦・平瓦約五〇個体分に二〇数本の鉄釘のほか、火舎香炉花瓶・二彩花文三足盤・灰釉三足盤・緑釉香炉・緑釉碗など多彩で、とくに陶器類は、密教壇供具と考えられる一一世紀前半のものである。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報