公余郷(読み)こうよごう

日本歴史地名大系 「公余郷」の解説

公余郷
こうよごう

和名抄」には記載がないが、天平七年(七三五)の紀年銘をもつ平城京(二条大路大溝)跡出土の荷札木簡にみえる。「安房国安房郡公余郷長尾戸主大伴部忍麻呂 大伴部黒秦鰒調陸斤陸拾弐条 天平七年十月」「安房国安房郡公余郷長尾里戸主許世部薬鰒調陸斤□□□□ 天平七年十月」「安房国安房郡公余郷賀茂里戸主大伴部辛子戸大伴部広足輸鰒調陸斤伍拾条 天平七年十月」「安房国安房郡公余郷賀茂里矢田部宮麻呂輸鰒調六斤肆拾肆条 天平七年十月」の四点で、郡郷里制下の当郷に長尾ながお里・賀茂かも里があり、大伴部・許世部・矢田部の部姓を名乗る戸主や戸口がおり、調鰒を貢納していた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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