公共(仮称)(読み)こうきょう(かしょう)

知恵蔵 「公共(仮称)」の解説

公共(仮称)

高等学校に新しく設置される必修科目。約10年ごとに行われる学習指導要領の改訂に伴い、2022年度の授業から導入される予定。中央教育審議会がまとめた次期学習指導要領の骨格案を、15年8月に文部科学省が公表し明らかになった。
「公共(仮称)」の新設は、選挙権の18歳年齢引き下げなどを背景に、主権者として積極的に社会参画する力及び公共心や規範意識を育成するのが狙い。授業では、政治・選挙・裁判の仕組みのほか、社会保障、財政納税就労・契約、家族、消費行動など幅広く取り上げる。また、法曹界財界マスコミから専門家を招き、討論会や模擬投票、模擬裁判といった実践的な授業も取り入れたい意向現行公民科は「現代社会」「倫理」「政治経済」の3科目だが、「公共」と共通点が多い「現代社会」は廃止、「倫理」「政治経済」は選択科目になる見通しである。
同時に社会教科では、地球規模の視点で課題解決学習を目指す「地理総合(仮称)」、日本史と世界史を融合し、近現代史を重点的に学ぶ「歴史総合(仮称)」も新設される模様。これに伴い、必修科目の「世界史」は選択科目になる。こうした現行科目の再編も含めた詳細の答申は、16年度中に行われる予定。

(大迫秀樹 フリー編集者/2016年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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