六日祭[長滝](読み)むいかまつり[ながたき]

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「六日祭[長滝]」の意味・わかりやすい解説

六日祭[長滝]
むいかまつり[ながたき]

岐阜県郡上市白鳥地区にある長滝白山神社で 1月6日に行なわれる延年。白山神社は長滝寺(ちょうりゅうじ)の鎮守社で,以前は僧により行事が行なわれたが,今日では寺に僧が少なくなり,一般人が加わっている。この祭りを花奪い祭ともいうのは,拝殿天井から下げられた花笠を人々がもぎ取るからで,この花を神棚に供えて米づくりや養蚕お守りとする。延年は,最初に「三献の儀」とも呼ばれる「酌取り」があり,豆腐やなます,餅などが供される盃事が行なわれ,菓子を参詣者に向かってまく。この演目は,修正会結願後の法楽としての饗宴のさまを伝えていると考えられている。その後,たうべん,露払い,乱拍子田唄,花笠,しろすり大衆舞などの次第があり,人々の長寿延年が祈願される。中世寺院の芸能がよく残されている。国指定重要無形民俗文化財。

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