其事となし(読み)そのこととなし

精選版 日本国語大辞典 「其事となし」の意味・読み・例文・類語

そのこと【其事】 と なし

  1. とりたててそのことと、いうこともできない。格別な原因理由目的などはないがの意で用いる。
    1. [初出の実例]「暮れがたき夏の日ぐらしながむればそのこととなく物ぞ悲しき」(出典:伊勢物語(10C前)四五)
  2. 特定の事に限らず、何事につけても。万事にわたって。
    1. [初出の実例]「堀川相国は、美男のたのしき人にて、そのこととなく過差を好み給ひけり」(出典:徒然草(1331頃)九九)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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