典鑰(読み)テンヤク

デジタル大辞泉 「典鑰」の意味・読み・例文・類語

てん‐やく【典×鑰/典×鎰】

律令制で、中務なかつかさに属し、監物けんもつとともに諸司の倉の鍵をつかさどった役。鎰取かぎとり。かぎのつかさ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「典鑰」の意味・わかりやすい解説

典鑰 (てんやく)

令制中務省に属する品官(四等官以外の官)の一つ。大典鑰は従七位下,少典鑰は従八位上相当官。定員は各2名。管鑰(かぎ)を出納することをつかさどる。諸官司の庫蔵の鑰は中務省の監物けんもつ)が毎朝請(う)け取り毎夕返すが,請け出した鑰の実物は典鑰が出納する。庫蔵の物の出納は大蔵省・中務省被管内蔵寮に属する大・少主鑰(しゆやく)が担当する。庫蔵の出納全体を監察する者は監物で,典鑰は文字どおり鑰の実物だけを管理した。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android