冀東政権(読み)きとうせいけん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「冀東政権」の意味・わかりやすい解説

冀東政権
きとうせいけん

日中戦争初期まで中国河北(かほく/ホーペイ)省東部にあった日本の傀儡(かいらい)政権。冀は河北の別名。日本は華北分離工作一環として、1935年(昭和10)11月25日殷汝耕(いんじょこう)を委員長とする冀東防共自治委員会通州に設立。翌月25日冀東防共自治政府と改称した。この政権のもとで冀東密貿易が特殊貿易の名で公然と行われ、抗日運動の激化と英米の反発を招いた。38年2月中華民国臨時政府(北京(ペキン)につくられた日本の傀儡政権)に合流し、解消した。

[石島紀之]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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