内儀(読み)ナイギ

デジタル大辞泉 「内儀」の意味・読み・例文・類語

ない‐ぎ【内儀/内義】

他人の妻を敬っていう語。多く、町家の妻にいう。
「町家の―らしい丸髷の女が七八ッになる娘の手を引いて」〈荷風・すみだ川〉
[類語]夫人奥様奥さん奥方お上さん御寮人人妻マダムミセス令夫人賢夫人内室令室令閨ご新造御寮人ごりょんさん大黒

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精選版 日本国語大辞典 「内儀」の意味・読み・例文・類語

ない‐ぎ【内儀・内義】

  1. 〘 名詞 〙 他人の妻を敬っていう語。近世、特に町家の妻に対していう。さらに敬って「おないぎ」とも。内方(ないほう)
    1. [初出の実例]「女児遵内義、外孫逐阿耶」(出典:菅家文草(900頃)五・仮中書懐詩)
    2. 「お内儀と喧嘩をなされたではござらぬか」(出典:虎寛本狂言・髭櫓(室町末‐近世初))

内儀の補助注記

近世前期の上方では、相手が上流武家や豪商など最も身分の高い場合に「おくさま」、中流以上の場合に「おいえさま」、中流階級の場合に「ないぎ」、それ以下の場合に「おかさま」と区別した。ただし、相手の身分だけで決まるのではなく、話者と相手との上下関係という相対的関係にもよるため、同一人物が複数の呼称で表わされることもあった。

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