広義では、ある存在者の本性に含まれ、またとどまっていること。超越に対する概念。たとえば良心の内在によって、人は外的権威や偶然的要素の介入なしにおのずと罪を悔い改める。汎神(はんしん)論では神の働きは自然に内在していて、神は世界から超越せる外的存在者ではない。人の内在的活動としての「思う」ことは、精神内の概念形成に行き着くだけであり、また「見る」ことは、見る側の変容ではあっても、見られる物を変化させることはない。これらは、物の加熱、変形、分割などの他動的・推移的活動とは異なる。近・現代の意識の哲学と現代存在論においては、事象の意識への内在と意識からの超越とがとくに問題になる。いっさいの現れは私にとっての現れであるとするなら、私の意識から独立した自存的存在へ観念を通じて間接的に到達することが課題となる。現代存在論は、意識の志向性理論によって、意識から超越した存在の直接的認識を主張するが、かわりに意識は実体性を失い、絶えざる自己超越・外化のなかで己の内面を失い、内在概念を不明瞭(めいりょう)にし、蒸発させた。
[松永澄夫]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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