内管領(うちかんれい)(読み)うちかんれい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「内管領(うちかんれい)」の意味・わかりやすい解説

内管領(うちかんれい)
うちかんれい

鎌倉末期において、北条氏の家督(得宗(とくそう))が、得宗に仕える御内人(みうちびと)のうちの頭人(とうにん)をもって任じた職名。「ないかんれい」とも読む。1224年(元仁1)尾藤景綱(びとうかげつな)を得宗北条泰時(やすとき)の家令に任じ、後見を命じたのをもって嚆矢(こうし)とする。本来、この職は私的な家政機関であったが、北条氏(得宗)の専政体制が強化されるにつれて、幕府政治機構の中枢に位置して権勢を振るうようになる。関東の有力御家人(ごけにん)三浦氏が滅ぼされたのち、御家人の代表と目された安達泰盛(あだちやすもり)を1285年(弘安8)の霜月(しもつき)騒動で誅殺(ちゅうさつ)したのは内管領平頼綱(よりつな)である。かくして、その勢力は有力御家人をしのぎ、北条高時(たかとき)の内管領長崎高資(たかすけ)は、ついには北条氏一門による執権の地位をも有名無実化するに至った。

[黒川高明]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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