内部質保証(読み)ないぶしつほしょう

大学事典 「内部質保証」の解説

内部質保証
ないぶしつほしょう

2008年12月の中央教育審議会答申「学士課程教育の構築に向けて」が提唱した大学質保証の概念。同答申およびそれ以降に中教審が公にした文書により,内部質保証とは,①学習成果の測定・評価を軸とする教育質保証であること,②PDCAサイクル(Plan-Do-Check-Act Cycle)が組み込まれた自己点検・評価の枠組みの中で機能すること,③専門分野別質保証の視点が重視されること,④その機能的有効性の検証は,認証評価機関により間接評価の手法によって行われること,の四つの特質をもつものとして意義づけられる。そこではとりわけ,学習成果の検証に基づく教育の質の維持・向上のための教育改善プロセスとしての側面が重視される。こうした趣旨に沿って2015年7月,大学基準協会は『内部質保証ハンドブック』を公にした。そして2016年3月のいわゆる「認証評価細目省令」の改正により,内部質保証を認証評価における重点的評価項目として位置づけることが明定された。
著者: 早田幸政

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

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