冠冕(読み)カンベン

デジタル大辞泉 「冠冕」の意味・読み・例文・類語

かん‐べん〔クワン‐〕【冠×冕】

冕板べんばんをつけたかんむり。また、かんむり。
「臣下は北面にして階下に―をうち垂る」〈太平記・二四〉
いちばんすぐれているもの。首位
「実に古今の―り」〈童子問・下〉

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精選版 日本国語大辞典 「冠冕」の意味・読み・例文・類語

かん‐べんクヮン‥【冠冕】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 冕板(べんばん)(=冠の頂につける板)をつけたかんむり。天皇皇太子礼服に付属する。転じて、その地位冕冠(べんかん)
    1. [初出の実例]「命駕遊山水。長忘冠冕情」(出典:懐風藻(751)遊龍門山〈葛野王〉)
    2. [その他の文献]〔春秋左伝‐昭公九年〕
  3. 第一位。首位。
    1. [初出の実例]「唯欧陽公五代史、体製議論、実為古今之冠冕」(出典:童子問(1707)下)
    2. [その他の文献]〔蜀志‐龐統伝〕
  4. ( ━する ) 頭にかぶせること。先におくこと。
    1. [初出の実例]「諸兄咸作曰。請以斯事冕斯文、使彼鶏鳴而起、孳々之徒知一レ択焉」(出典:旱霖集(1422)荻原賡和詩藁叙)

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普及版 字通 「冠冕」の読み・字形・画数・意味

【冠冕】かん(くわん)べん

かんむり。仕官する。名族。首位にある者。〔三国志、蜀、統伝〕司馬にして人を知るの鑒り。~、甚だ之れを異(あや)しみ、統をして、當(まさ)に南州の士の冠冕と爲すべしとす。是れより漸く顯はる。

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