冷凍パン(読み)れいとうぱん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「冷凍パン」の意味・わかりやすい解説

冷凍パン
れいとうぱん

パン老化を防止する最良の方法として、急速冷凍による保存がある。冷凍温度零下1℃~零下5℃を短時間に通過させ、パンの中心部を零下18℃以下に保って保存、急速解凍の温度と時間は急速冷凍の逆とする。パン組織の水分が氷結する際の膨張を最小限にし、保存中に氷の結晶が大きくならないようにするためである。これとは別に、製造の際パン生地(きじ)の発酵時間を調節するのに、冷蔵と冷凍が利用される。常温で発酵させてつくるパンの酵母は、低温では活性が衰え、また死滅するものもあるので、酵母の量を増したり、生地の混捏(こんねつ)時間を短縮するなどの調整がなされる。基本的には、従来のパン用酵母が細胞分裂によって製造されているのを細胞融合に変えて、低温生地処理にも活性を失わないように酵母の機能を変える技術開発が進められている。

[阿久津正蔵]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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