出合い(読み)であい

精選版 日本国語大辞典 「出合い」の意味・読み・例文・類語

で‐あい‥あひ【出合・出会】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 出て会うこと。出席すること。また、その席。対面面会会合
    1. [初出の実例]「出合断切、作意も上り不申、気の毒に存候」(出典:木因宛芭蕉書簡‐天和二年(1682)三月二〇日)
    2. 「まして初而(はじめて)の出合(デアヒ)には、なを一座をかため」(出典:浮世草子・好色一代男(1682)七)
  3. 偶然に会うこと。めぐりあうこと。また、そのめぐりあい。邂逅(かいこう)
    1. [初出の実例]「不思議の出合(デアヒ)、此時和談して、三人同じ枕を並べながら」(出典:浮世草子・好色一代男(1682)六)
  4. ある人と会ったはじめ。
  5. 出て立ち向かうこと。
    1. [初出の実例]「一段の出合ぢゃ。急いで立退かう」(出典:集成本狂言・饅頭(室町末‐近世初))
  6. 男女がしめしあわせて会うこと。密会。
    1. [初出の実例]「そんぢゃうそこでいつ夜よりあわうと云ことを約してぬすみかくれてではしってでやうぞ。ここらにもであいと云げなぞ」(出典:玉塵抄(1563)一一)
  7. つきあい。交際。知りあい。
    1. [初出の実例]「わいらは住吉で初めて逢ふて夫(それ)からの出合」(出典:浄瑠璃・夏祭浪花鑑(1745)六)
  8. 出るにまかせること。また、そのもの。出まかせ。
    1. [初出の実例]「墨の衣の玉襷見物ぞめきに取巻かれ、鉦の拍子も出合ごんごん」(出典:浄瑠璃・心中天の網島(1720)上)
    2. 「諸事の手筈(はつ)間違(ちが)ひのない様に。源右衛門合点か。皆迄いふなせりふは出合」(出典:浄瑠璃・染模様妹背門松(1767)上)
  9. 連歌俳諧で、一座の者が順序を定めないで句のできた者から合わせ連ねていくこと。
    1. [初出の実例]「其儀ならば、出合に致しませう」(出典:虎寛本狂言・乳切木(室町末‐近世初))
  10. 売手買手の言い値が一致して売買が成立すること。「出合がつく」
  11. 川・沢・谷の流れが落ち合う所。合流点。〔氷雪の山(1948)〕
  12. であいぢゃや(出合茶屋)」の略。
    1. [初出の実例]「なんで間違ったか出合あけらこん」(出典:雑俳・柳多留‐五(1770))
  13. であいおんな(出合女)」「であいもの(出合者)」の略。
    1. [初出の実例]「或は手かけ、かこひ物、てあひをのぞむ女もあり」(出典:仮名草子・都風俗鑑(1681)二)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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