出湯村(読み)でゆむら

日本歴史地名大系 「出湯村」の解説

出湯村
でゆむら

[現在地名]笹神村出湯

赤安あかやす山の西麓に位置し、西は羽黒新はぐろしん村、南は今板いまいた村。南部を砂郷すなごう沢が通じている。五頭ごず山の登山口にあたる。元和二年(一六一六)の村上忠勝知行宛行状(近藤卓穂氏蔵)に「八拾三石七斗五升安田くミ出湯今(板カ)村」とあり、村上藩主より近藤九右衛門に宛行われている。正保国絵図には高五八石余とある。寛保二年(一七四二)の寺社組御検見御案内帳(渡辺家文書)には高一二三石余、田八町二反六畝余・畑四町三反三畝余とあり、家数三二、ほかに寺一・山伏一、男七七・女六六・僧七・山伏一とある。

出湯温泉は大同年間(八〇六―八一〇)空海により発見されたと伝える。近世華報けほう寺内には漲泉窟ちようせんくつという五壺からなる浴室があったが、方丈湯・僧侶湯・村湯の三湯は旅人入湯を禁じた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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