切破(読み)きりやぶる

精選版 日本国語大辞典 「切破」の意味・読み・例文・類語

きり‐やぶ・る【切破】

〘他ラ五(四)〙
① 切ってこわす。切って裂く。切ってばらばらにする。
古事記(712)中「爾(ここ)に其の后と御子等と、其の小竹(しの)の苅杙(かりくひ)に、足(きりやぶれ)ども」
② 敵の軍勢の囲みを切りまくって打ち破る。
日葡辞書(1603‐04)「テキヂンヲ qiriyaburu(キリヤブル)

きり‐やぶり【切破】

〘名〙 歌舞伎舞台装置一つ藪垣、また、塀、壁に穴をあけてそれを同じ色でふさいでおき、人の出没盗賊侵入の時、切り破って出入りするのに用いる。
人情本妹背鳥(1842‐44頃か)後「立ち廻ると、野郎間(のろま)の切破(キリヤブ)りや、水引猿(みづひきざる)災難に、逢はにゃアならねえ」

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