切組(読み)キリクミ

デジタル大辞泉 「切組」の意味・読み・例文・類語

きり‐くみ【切(り)組(み)】

材木を切り組むこと。また、そのもの。「切り組み柱」
能で、切り合いの場面。また、そのとき奏する囃子はやし名称

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「切組」の意味・読み・例文・類語

きり‐く・む【切組】

[1] 〘自マ五(四)〙 互いに相手を切ろうとして争う。切り合う。
※金色青春譜(1936)〈獅子文六〉銀座道中記「虎徹と村正の二剣がガッキと切組(キリク)んだやうに」
[2] 〘他マ五(四)〙
① 材木などを種々に切って組み合わせる。
浄瑠璃出世景清(1685)四「上三尺のつめろうに、しこの木をもってくもで格子(がうし)に切くんで」
② 考えをめぐらせ組み立てる。策略をめぐらせる。
洒落本・芳深交話(1780)「いく度か綱さんを連て来なんすたんびに、きり組(クン)だ趣向さ」
連歌で、適切な言葉を当てはめて歌を構成する。
※連歌秘伝抄(15C後)「手仁葉に色々の付様あり。先留所を能々得意てきりくむべし」

きり‐くみ【切組】

〘名〙
① 材木などを種々に切って組み合わせること。また、その組み合わせたもの。
浮世草子・浮世栄花一代男(1693)四「むかし座敷と見へて所々の切組(キリクミ)わけもなふ隙をつくし」
② 鞍(くら)の部分の名(日葡辞書(1603‐04))。
③ 能の切り合いの場面。シテやワキに大ぜいの軍兵が切りかかる形のものが多い。また、この時奏する囃子の名称。「正尊(しょうぞん)」「烏帽子折(えぼしおり)」などにある。

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