デジタル大辞泉
「初荷」の意味・読み・例文・類語
はつ‐に【初荷】
1 正月の商い初めの商品を、問屋や商店などが、美しく飾った車や馬で取引先に送り出すこと。また、その荷。もと、2日に行われた。《季 新年》「痩馬を飾り立てたる―かな/子規」
2 季節ものの商品の、最初の出荷。また、その荷。
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はつ‐に【初荷】
〘名〙
① 正月の商いはじめの日に、問屋または商店より
車馬に商品を積んで飾りたてて初出荷すること。また、その商品。《季・新年》
② その季節に初めて出荷すること。また、その商品。
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初荷 (はつに)
商家の仕事始め。正月2日に行われる儀礼的な初商いで,江戸時代からはじまった。新調したはっぴや手拭を着用し,卸商人は小売店へ,小売商人は有力な得意先へそれぞれ商品を送り込むのであるが,祝歌を歌ったりしてにぎやかに行われ,祝酒なども用意された。この日,野菜の初出荷をする農家もあった。車には初荷の幟(のぼり)旗が立てられるが,かつて馬を用いていたころには,馬を美しい鞍や綱で飾りたて,華やかな気分を盛りあげた。
→仕事始め
執筆者:田中 宣一
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初荷
はつに
正月2日、商家の仕事始めの儀礼。またそのとき積み出す商品。農・山・漁村や各家の仕事始めを見習ったもので、問屋や小売店が商品を荷車に載せて飾りたて、にぎやかにはやしながら得意先に届けるものであった。幟(のぼり)に「初荷」と書いて荷物に立てたりした。大八車、馬車、馬の背で運ぶこともあった。現在は流通機構の変化に伴い、八百屋(やおや)の店先に白菜を積み上げて初荷としたり、年初の配達のときトラックに初荷の旗を立てるなどの例はあるが、実質的には消滅した。
[井之口章次]
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初荷【はつに】
正月2日の問屋や商家の仕事始め。江戸時代から行われ,初荷と称して馬や車に商品を積み,美しく飾り立てて送り出した。元日は休み,2日は早朝から縁起を祝って儀礼的に初商いをするというのが一般的な商家の風であった。
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