判断力(読み)ハンダンリョク

デジタル大辞泉 「判断力」の意味・読み・例文・類語

はんだん‐りょく【判断力】

物事を正しく認識し、評価する能力
《〈ドイツUrteilskraftカント哲学で、特殊普遍もとに関係づける能力。普遍が与えられていて、それに特殊を包摂する規定的判断力と、与えられている特殊に対して、それを包摂するための普遍を求める反省的判断力とに区別されている。

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精選版 日本国語大辞典 「判断力」の意味・読み・例文・類語

はんだん‐りょく【判断力】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 物事を正確に判断する能力。
    1. [初出の実例]「中々強い想像力が一入跋扈を極めて判断力をも殺いた」(出典:武蔵野(1887)〈山田美妙〉中)
  3. ( [ドイツ語] Urteilskraft の訳語 ) カント哲学で、悟性直観を媒介する能力(規定的判断力)。また、美的なものや、自然の合目的性を判定する美的能力(反省的判断力)。

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世界大百科事典(旧版)内の判断力の言及

【理性】より

…また18世紀にはイギリスの〈常識common sense〉がドイツで悟性に結びつけられ,無反省に生活で使用される〈通俗的悟性gemeiner Verstand〉よりも〈論究的理性räsonierende Vernunft〉が上位に置かれるようになった。 カントは認識能力を諸対象を直観する受容的な〈感性〉と,諸対象を概念で思考する自発的な広義の〈悟性〉とに分かち,後者を狭義の〈悟性(概念・規則の能力)〉〈判断力(判断の能力)〉〈理性(理念・推論の能力)〉に分けた。理論的な理性はこの広義の悟性と一致し,感性によって与えられる現象界を超越しえず,自由を説きえないが,実践的には理性は意志を規定する原因性として,感性的衝動の克服を命令し,自由を要請しうる。…

※「判断力」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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