…また18世紀にはイギリスの〈常識common sense〉がドイツで悟性に結びつけられ,無反省に生活で使用される〈通俗的悟性gemeiner Verstand〉よりも〈論究的理性räsonierende Vernunft〉が上位に置かれるようになった。 カントは認識能力を諸対象を直観する受容的な〈感性〉と,諸対象を概念で思考する自発的な広義の〈悟性〉とに分かち,後者を狭義の〈悟性(概念・規則の能力)〉〈判断力(判断の能力)〉〈理性(理念・推論の能力)〉に分けた。理論的な理性はこの広義の悟性と一致し,感性によって与えられる現象界を超越しえず,自由を説きえないが,実践的には理性は意志を規定する原因性として,感性的衝動の克服を命令し,自由を要請しうる。…
※「判断力」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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