前垂(読み)まえだれ

精選版 日本国語大辞典 「前垂」の意味・読み・例文・類語

まえ‐だれ まへ‥【前垂】

〘名〙
衣服の前の方の汚れを防ぐために、体の前面、特に腰から下に垂れ下げる布。前掛け。まえたり。
※延喜式(927)一四「六月神今食御服〈略〉帛(まへたれ)二両〈別三尺五寸〉」
② 前に垂れ下がっていること。前さがり。
平家(13C前)四「衣のしたに腹巻をき、大なるうちがたなまへだれにさし」
③ 特に、宿屋飯盛女や色茶屋の私娼遊郭の遣手などが身につけている赤い前掛け。また、その女。あかまえだれ。
※評判記・難波の㒵は伊勢の白粉(1683頃)二「上村吉彌 若女形〈略〉おひめさまにも前だれさしてもうつらぬといふ事なし」
旋盤の手前に出っぱって垂れている部分。たて・よこ送り、ねじ切りの送り、それらを操作するハンドル類がついている。エプロン

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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