前田信輔(読み)まえだしんすけ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「前田信輔」の意味・わかりやすい解説

前田信輔
まえだしんすけ

[生]文政4(1821).鹿児島
[没]1901
医師。京都に出て医学を学んだのち,藩主島津斉興に従って江戸に行き,江戸幕府の医官多紀氏に学ぶ。次いで藩命を受けて蘭方医坪井信道に師事したが,嘉永2 (1849) 年長崎に出向き,オランダの医師 O.モーニケに種痘術 (牛痘術) を学んで帰藩,これを領内に行なった。元治1 (64) 年蛤御門の変に,西郷隆盛に依頼されて戦傷者の救済施設を構え治療にあたったが,当時の外科技術の弱体を痛感,慶応4 (68) 年の鳥羽伏見の戦いのときには,京都相国寺の薩藩病院にイギリスの医師 W.ウィリスを招いてその指導を受けた。同年御親兵病院の医師となり,官立病院開設を建議,のち警視医学校校長。 1877年西南の役には,戦場に警視病院を開設した。

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