金属材料を目的の形状に切断する加工法で,材料に加える力と材料に生ずる応力とが切断しようとする面に平行である場合をいう。上下の2枚の刃の相対運動により材料をとらえて切る装置,一方が刃の形をしており,他方がダイスとなっている装置,あるいは両方が刃とは呼べない剛性の高い工具どうしの相対運動などによって材料が切断される。相対運動のさせ方としては,はさみのような形,紙切り(カッター)のような形,ピストンとシリンダーのような形,回転する基盤に刃がついていて,走行する物体と同期させる形などがある。大は数百mmの厚さの鋼片から,小は数十μmの薄板までが,この方式で切断されている。目的としては,素材の大きさをそろえる,形を整える,製品の形状・品質と寸法をそろえるためなどがあり,加工品の精度の面からはcmからμmのオーダーまで,要求は多岐にわたっている。現在では板金プレス加工に欠かせない加工法の一つである。
執筆者:木原 諄二
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物体を挟み切る作用。物体に、平行で互いに反対方向の力が作用し、ある面を通して一方の部分と他方の部分とが互いに滑るように働く作用をいう。一般に外力の作用により物体内に内力を生ずるが、物体内に仮想面を考えれば、この面に作用する内力は面に垂直な成分と平行な成分とに分けられ、面に沿った成分が剪断力で、剪断変形を引き起こす。剪断に対する弾性係数を剪断弾性係数あるいは横弾性係数という。剪断作用は、梁(はり)や板が横荷重を受けるときや、軸がねじられるときに現れる。剪断機shearing machineによる鉄板などの切断や、打ち抜き、穴あけなどの剪断加工は、この剪断作用を応用したものである。
[林 邦夫・中條祐一]
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