家庭医学館 「副咽頭間隙腫瘍」の解説
ふくいんとうかんげきしゅよう【副咽頭間隙腫瘍 Tumor of the Parapharyngeal Space】
副咽頭間隙に発生する腫瘍には、耳下腺腫瘍(じかせんしゅよう)、神経原性腫瘍(しんけいげんせいしゅよう)などがあります。またこの部位は、リンパ流が非常に豊富なので、頭頸部(とうけいぶ)領域の悪性腫瘍のリンパ節転移がおこりやすいところです。
[症状]
腫瘍が小さいうちはまったく症状がみられませんが、大きくなると、扁桃(へんとう)が後上方から押し出されたようになり、のどの違和感、くびの腫(は)れなどがおこります。
良性腫瘍は痛みや神経のまひ症状はでませんが、悪性腫瘍やがんの転移であれば痛みやまひ症状がみられます。
[治療]
診断には、CTやMRIが有効です。また、腫瘍につながる血管を確認するため、血管造影が行なわれることもあります。
大きくなれば、頭蓋内(ずがいない)に進展していくこともあるので、手術をして腫瘍を摘出します。