加賀藩主前田家墓所(読み)かがはんしゅまえだけぼしょ

国指定史跡ガイド 「加賀藩主前田家墓所」の解説

かがはんしゅまえだけぼしょ【加賀藩主前田家墓所】


石川県金沢市野田町と富山県高岡市関にある墓所。江戸時代、加賀越中・能登3ヵ国を領した加賀藩主前田家歴代の墓所で、2009年(平成21)に国の史跡に指定された。加賀藩主前田家は、初代前田利家が織田信長豊臣秀吉に仕え、金沢城を居城とし、2代利長の時代には約120万石を有する全国最大の大名家となり明治維新にいたった。金沢市の前田家墓所は約8万6000m2墓域をもち、藩祖利家を頂点とした歴代藩主墓をとりまく正室子女などの墓約80基からなる。形態は土饅頭(どまんじゅう)形式で、とくに藩主墓は3段に盛り上げた方形墳の周りを溝がめぐる独特の形態で、大きさも利家墓で1辺約19m、他の藩主墓でも約16mあり、他藩では類を見ない大規模なものとなっている。高岡市の前田利長墓所は加賀藩3代藩主・前田利常が、2代利長の33回忌にあたって造営した。2重の堀で囲まれた1辺約180mの正方形区画内に2段の方形墳を築いており、その上には笠塔婆(かさとうば)形の墓碑が建つ。金沢市野田山の前田家墓所へは、JR北陸本線金沢駅から北陸鉄道バス「野田」下車徒歩約25分。前田利長墓所へは、JR北陸本線ほか高岡駅から徒歩約12分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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