労・痛(読み)いたわしい

精選版 日本国語大辞典 「労・痛」の意味・読み・例文・類語

いたわし・い いたはしい【労・痛】

〘形口〙 いたはし 〘形シク〙
① (困難なことで)骨がおれて苦しい。(重大なことで)心配だ。気苦労だ。きづかわしい。
書紀(720)允恭即位前(図書寮本訓)「願はくは、大王(おほきみ)(イタハシ)と雖も猶天皇位(あまつひつぎ)(しろしめ)せ」
② 病気で苦しい。気分が悪くて悩ましい
万葉(8C後)五・八八六「己(おの)が身し 伊多波斯計礼(イタハシケレ)ば 玉桙(たまほこ)の 道の隈廻(くまみ)に 草手折り 柴取り敷きて 床じもの うち臥(こ)い伏して」
③ 大事なものとして重んじたい。いたわって大切にしたい。
※万葉(8C後)一三・三三三五「とゐ波の 塞(ささ)ふる道を 誰が心 労(いたはし)とかも 直(ただ)渡りけむ」
源氏(1001‐14頃)紅葉賀我が身ながらこれに似たらむは、いみじういたはしうおぼえ給ふ」
④ (他人の状態に対して)心が痛む。あわれみを感じる。気の毒である。ふびんである。いたいたしい。
太平記(14C後)九「御台(みだい)御事は〈略〉何の御痛敷(イタハシキ)事か候べき」
浄瑠璃源三位頼政(扇の芝)(1714頃)二「去ながらあまり見る目もいたはしし
いたわし‐が・る
〘他ラ五(四)〙
いたわし‐げ
〘形動〙
いたわし‐さ
〘名〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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