日本大百科全書(ニッポニカ) 「勝沼精蔵」の意味・わかりやすい解説
勝沼精蔵
かつぬませいぞう
(1886―1963)
内科医。静岡県生まれ。1911年(明治44)東京帝国大学医科大学を卒業。主として細胞内酸化還元酵素オキシダーゼの組織学的研究に従事、1919年(大正8)愛知県立医学専門学校(名古屋大学医学部の前身)教授。1924年ドイツで『Intrazellulare Oxydation und Indophenolblausynthese』を公刊、1926年帝国学士院賞受賞。このほか、血液学、無脳症など先天性形態異常、癌(がん)、結核、航空医学、老人医学など多岐にわたる研究業績がある。1932年(昭和7)から14年間大学附属病院長。西園寺公望(きんもち)の侍医としても知られ、1946年(昭和21)学長公選規程による初の名古屋大学学長に選出され、3期10年その職にあった。1954年文化勲章受章。昭和38年、第17回日本医学会総会会頭の現職のまま死去した。
[神谷昭典]