勢多郷(読み)せたごう

日本歴史地名大系 「勢多郷」の解説

勢多郷
せたごう

和名抄」は諸本とも訓を欠くが、瀬田(「日本書紀」神功皇后元年三月五日条ほか)・勢多(「続日本紀」天平宝字八年九月一八日条ほか)と記し、瀬田の済を「斉多能和多利」(「日本書紀」神功皇后摂政元年三月五日条)とするようにセタである。古来より勢多は政治・軍事上の要地であったため記録には頻出する。壬申の乱で近江大津宮を本拠とする大友皇子軍の最後の防衛線となり、「瀬田」橋を破られて大友軍は滅亡するところとなる(「日本書紀」天武天皇元年七月二二日条)

勢多郷
せたごう

「和名抄」所載の郷。同書高山寺本・東急本・名博本ともに訓を欠くが、セタであろう。「風土記稿」に「今荏原郡ニ入テ当郡トノ界ニアル瀬田村ナルヘシ、此所ナランニハ後世変革シテ他郡ニ入シナリ、勢(多)ヲ瀬田ト改メシハ尤後ノコトナルヘシ」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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