勤労の権利・義務(読み)きんろうのけんりぎむ

百科事典マイペディア 「勤労の権利・義務」の意味・わかりやすい解説

勤労の権利・義務【きんろうのけんりぎむ】

前者は働く意思と能力をもちながら働くことのできない者が国家に対し働く機会を求める権利労働権とも。20世紀にはいって生存権的基本権の一つとされた(憲法27条1項)。失業者就業の機会を与える国家の義務がこれに対応するが,資本主義国では失業は避けがたいので完全な保障は困難。ただしこの原理に則って,日本では雇用保険法や職業安定法などが制定されている。社会主義国では社会主義経済の実現に基づき恐慌の可能性の除去,失業の解消によって実際に保障されると言われた。後者は,社会主義国では働く能力がありながら働かない者に〈働かざる者は食うべからず〉の原則に従って労働を強制することであるとされているが,資本主義国では働く能力がありながら働かない者に対し,国家は生活保護や雇用保険などの生存権保障の施策を拒否し得るというにとどまる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「勤労の権利・義務」の意味・わかりやすい解説

勤労の権利・義務
きんろうのけんりぎむ

日本国憲法第27条1項に規定されている権利・義務をいう。一般に勤労の権利は労働権ともよばれている。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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