勧進相撲(読み)カンジンズモウ

デジタル大辞泉 「勧進相撲」の意味・読み・例文・類語

かんじん‐ずもう〔クワンジンずまふ〕【勧進相撲】

勧進2のために、または、それを名目に営利目的興行する相撲
「―の銀本かねもと奉加帳ほうがちゃう肝入きもいり」〈浮・永代蔵・三〉
[補説]江戸初期から行われ、のちには木戸銭を取って興行する定期の相撲にもいうようになり、これが現在の大相撲前身

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精選版 日本国語大辞典 「勧進相撲」の意味・読み・例文・類語

かんじん‐ずもうクヮンジンずまふ【勧進相撲】

  1. 〘 名詞 〙 勧進のために興行する相撲。後には、それを名目として木戸銭を取って行なう興行をもいう。寄相撲(よりずもう)。かんじんすまい。勧進。《 季語・秋 》
    1. [初出の実例]「内野七本松にて勧進すまふを張行す」(出典:義残後覚(1596)五)

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「勧進相撲」の解説

勧進相撲
かんじんずもう

勧進を名目に掲げた相撲興行。寺社や道・橋などの造営・修復の費用を調達するために喜捨を募ることを勧進という。鎌倉末期以降は,能・猿楽などの芸能興行による収益をあてる勧進興行が広く行われた。相撲も芸能の一つとして,15世紀初めから勧進興行が行われ,職業的な相撲人集団の活躍の場となった。近世には,江戸・京・大坂の三都を中心に盛んとなり,営利目的の興行も行われるようになった。幕府は当初は,風紀統制の意図もあり,そうした興行には抑制的で,しばしば勧進相撲禁令を発したが,18世紀半ばには三都で四季1度ずつの営利興行が公認され定着した。現代の大相撲興行はこの系譜につながる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「勧進相撲」の意味・わかりやすい解説

勧進相撲
かんじんずもう

寺社の建築修繕などの募金を目的とした興行相撲。鎌倉時代末期から室町時代にかけて発生したとされ,江戸時代に入って職業的に基盤ができたが,のち勧進は名目だけになり,都会や繁栄地で盛んに興行されるようになった。やがて元禄時代から勧進相撲は年中行事となった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「勧進相撲」の意味・わかりやすい解説

勧進相撲
かんじんずもう

相撲

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世界大百科事典(旧版)内の勧進相撲の言及

【明石志賀之助】より

…江戸で俠客夢の市郎兵衛と義兄弟になり,京都の天覧相撲で大関仁王仁太夫を打ち倒し,日下開山(ひのしたかいさん)の勅許を与えられたという。《古今相撲大全》(1763)には,1624年(寛永1)4月,江戸四谷塩町の笹寺で,明石の勧進元による晴天6日間興行が,江戸勧進相撲の始まりとあるが証跡はまったくない。しかし《古今相撲大全》以後は,職業相撲(勧進相撲)の開祖は明石の興行からとされ,これが長く定説になっていたが,近年は否定されている。…

※「勧進相撲」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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