北方仏教(読み)ホッポウブッキョウ

デジタル大辞泉 「北方仏教」の意味・読み・例文・類語

ほっぽう‐ぶっきょう〔ホクパウブツケウ〕【北方仏教】

中央アジアチベットモンゴル中国朝鮮半島日本などの仏教梵語ぼんご仏典あるいはその翻訳仏典が行われ、大乗仏教を主とする。北伝仏教。→南方仏教

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精選版 日本国語大辞典 「北方仏教」の意味・読み・例文・類語

ほっぽう‐ぶっきょう ホクハウブッケウ【北方仏教】

〘名〙 梵語仏典またはその翻訳仏典が行なわれるチベット・中国・朝鮮・日本などの仏教の総称。パーリ仏典の行なわれるミャンマー・タイ・カンボジアなどの仏教を南方仏教というのに対していう。北伝仏教。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「北方仏教」の解説

北方仏教
ほっぽうぶっきょう

北伝仏教とも。南伝仏教に対する。チベット・中国・朝鮮・日本などに伝わり,大乗仏教を基調とする。紀元前1世紀頃ガンダーラからパミール高原をこえ,紀元前後頃には中国西部に入ったとされる。中国での訳経は5世紀の鳩摩羅什(くまらじゅう)や7世紀の玄奘(げんじょう)によって盛んに行われ,大部大乗経典が漢訳された。天台・浄土・法相(ほっそう)・禅・密教などの諸宗派がこのなかから生まれ,朝鮮や日本の仏教の形成に大きな影響を与えた。

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世界大百科事典(旧版)内の北方仏教の言及

【南方仏教】より

…スリランカ(セイロン),ミャンマー,タイ,ラオス,カンボジアなどの南方諸国に行われている仏教をいう。インドから西域地方を経て,中国,日本などの北方に伝わった仏教を〈北伝仏教〉あるいは〈北方仏教〉というのに対して,この呼び方を用いる。上座部の仏教が伝えられたので〈南方上座部仏教〉または〈テーラバーダ〉とも呼ばれる。…

【北伝仏教】より

…チベット,中国,朝鮮,日本などに行われている仏教の総称。〈北伝仏教〉あるいは〈北方仏教〉,およびこれに対する〈南伝仏教〉または〈南方仏教〉という呼称は,もとはヨーロッパの仏教学者によって与えられたものである。近代学としての仏教学はインド学と重なって19世紀に始められたが,西欧の学者は,スリランカ(セイロン)で得たパーリ語で著された仏教典籍に基づく仏教を〈Southern Buddhism〉と呼び,ネパールで入手したサンスクリット(あるいは仏教梵語)で書かれた仏典に基づく仏教を〈Northern Buddhism〉と称した。…

※「北方仏教」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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