医師の指示によって服用する医薬品。約2万品目あり、睡眠薬や抗生物質など処方箋がないと販売できない処方箋医薬品と、例外的に処方箋なしで販売できる医薬品に分かれる。処方箋なしで販売できるのは約7千品目で、解熱鎮痛剤や胃腸薬があるが、医療の中で用いられるものであることから、やむを得ない場合のみに限定している。
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(小林千佳子 フリーライター / 2009年)
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一般用医薬品に比べて人体に対する作用が強く、「医師もしくは歯科医師によって使用され、またはこれらの者の処方箋(しょほうせん)もしくは指示によって使用されることを目的として供給される医薬品」をいう。
[編集部]
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【医薬品の流通】
現在日本の医薬品の流通は図2に示した経路に従って製薬企業から消費へ伝達されている。製薬企業で生産される医薬品のうち約80%に相当するのは医家向け医療用医薬品prescription drugsで,特約店や卸を経て,あるいは製薬企業から直接病院診療に直結する経路で供給される。病院・診療所より処方箋が発行され,それに従って薬局(調剤薬局)から医療用医薬品が消費者(患者)に渡される,いわゆる医薬分業形態の流通にのる部分は10%以下である。…
…最近は生物学的製剤(血液製剤,ワクチン等)や腫瘍用薬(抗癌剤等)の伸び率が高い。医薬品はまた医療用医薬品と一般用医薬品(いわゆる大衆薬)とに大別でき,前者は医師の指示のもとで使用され,後者は一般小売店で消費者が自由に購入できる。第2次大戦直後は大衆薬のウェイトが過半を占めていたが,(1)1961年から国民皆保険制度が発足し,しかも医療費のうち患者の負担がしだいに軽減され,医師にかかりやすくなったこと,(2)後述する薬価差益の問題から医療機関が薬の過剰投与をしがちであったこと,(3)1956年のペニシリン・ショック事件,61年のサリドマイド事件,65年の風邪薬アンプル剤事件,70年のキノホルム事件など薬禍問題が相次ぎ,大衆薬に対する不信が生じたこと,などの理由から,相対的に医療用医薬品のウェイトが高まった。…
※「医療用医薬品」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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