十市郡(読み)とおちぐん

日本歴史地名大系 「十市郡」の解説

十市郡
とおちぐん

橿原かしはら市・桜井市・磯城しき郡田原本町にかけて存在した郡。天平二年(七三〇)の大倭国正税帳(正倉院文書)に「十市郡」がみえる。また「日本書紀」孝安天皇二六年二月一四日条に「十市県主五十坂彦」、「延喜式」(祈年祭祝詞)に「御県に坐す皇神等の前に白さく、高市・葛木・十市・志貴・山辺・曾布と御名は白して」とある。「延喜式」(民部)に「十市トヲチ」とあり、「和名抄」によれば飫富おふ川辺かわのべ池上いけがみ神戸かんべの四郷があり、刊本に「止保知」と訓じているが、しだいにトオイチ郡といわれるようになり、明治三〇年(一八九七)四月一日に式上郡・式下郡・十市とおいち郡が合併して磯城郡となった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android