千妙寺(読み)せんみょうじ

精選版 日本国語大辞典 「千妙寺」の意味・読み・例文・類語

せんみょう‐じ センメウ‥【千妙寺】

茨城県筑西市にある天台宗の寺。山号東叡山承和元年(八三四円仁(えんにん)創建と伝える。南北朝初期、亮守が再興し、崇光天皇勅願所となった。

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日本歴史地名大系 「千妙寺」の解説

千妙寺
せんみようじ

[現在地名]関城町黒子

天台宗、東睿山金剛寿院と号し、本尊釈迦如来。寺伝によれば、初め筑波山麓の上野うえの(現明野町)にあって承和じようわ寺と称し、貞観元年(八五九)大恩だいおん寺と改称、のち南北朝初期の亮守の時に千妙寺と号したという。しかし当寺の歴史がようやく明らかになるのは、中興開山第一世とされ、三昧流の法流を当寺に伝えた亮守以降のことで、天正一二年(一五八四)一一月の正親町天皇綸旨(千妙寺文書)には、観応二年(一三五一)草創とある。事実、千妙寺の名が史料に現れるのはそれ以降で、三昧流由来事書(天台書籍綜合目録)の題下に「延文五年六月晦日始見聞常州下妻黒子千妙寺ニテ亮澄之言亮海筆受」、十八道見聞(同書)奥書に「応安四年六月上旬候、於常陸国下妻庄千妙寺、不顧愚短才(中略)先師亮澄法印ノ口筆」と記される。

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百科事典マイペディア 「千妙寺」の意味・わかりやすい解説

千妙寺【せんみょうじ】

茨城県関城(せきじょう)町(現・筑西市)にある天台宗の寺。本尊は釈迦如来。はじめ筑波山麓にあって承和(じょうわ)寺,次いで大恩(だいおん)寺と改称,1351年亮守が中興,以降伝法灌頂道場として関東奥羽の天台宗の中心寺として発展。戦国期古河(こが)公方家の祈願寺的存在であった。1600年天海(てんかい)の弟子亮甚(りょうじん)が入寺し,江戸期も栄えた。

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