翻訳|peninsula
海に突き出した陸地の部分。スカンジナビア半島やイベリア半島のように大きな半島もあれば,三浦半島のように小さいものもある。半島より小さい陸地の突出部は岬,鼻などと呼ばれることが多い。半島の大きなものは大規模な地盤運動によって形成されるが,小さなものは沈水した山稜部が半島となったり,硬い岩石が浸食から残って突出する場合がある。半島は三方を海に囲まれているため気候は海洋性であり,伊豆半島やフロリダ半島のように温暖な気候を利用して保養地,別荘地になったり,かんきつ類,花卉(かき)の産地などになることがある。また臨海性であるため,漁村が多く立地し一般に水産業の比重が大きい。半島は外洋に面し海流に直接洗われるので,他国からの漂着が多く,外来の植物,民族,文化の渡来地となることが多い。また大きな半島は陸橋として大陸からの勢力の通過ルートとなるため,バルカン半島や朝鮮半島のように紛争の地となることも多い。
執筆者:豊島 吉則
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
陸地が海や湖へ長く突出している部分。大規模な半島としては、アラビア半島、インド半島、バルカン半島などがあり、小規模なものとしては日本の三浦半島(神奈川県)、男鹿(おが)半島(秋田県)、能登(のと)半島(石川県)、佐田岬(さだみさき)半島(愛媛県)などきわめて多い。大小の規模は一般に相対的なものであるから、ヨーロッパ大陸はユーラシア大陸の半島にあたる。北ヨーロッパのスカンジナビア、ヨーロッパ南西部のイベリア、イタリアなどの半島はヨーロッパの半島である。もっとも小規模なものは、陸地が沈水したために尾根部分が半島状に残ったもので、半島という呼称がつけられていないものが多い。
[市川正巳]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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