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南シナ海の領有権問題 【みなみしなかいのりょうゆうけんもんだい】

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知恵蔵2014の解説

南シナ海は、中国、台湾、フィリピンマレーシアブルネイインドネシアベトナムなどに囲まれた海域である。海南島を除けば大きな島はなく、南海諸島ナトゥナ諸島などの中小の島々から成る群島が散在する。南シナ海の北部中国沿岸やタイランド湾を含む南西部には大陸棚が発達し、石油や天然ガスなどの資源が豊富である。近年になって、これらの資源や海洋資源の確保を巡って周辺各国の利害が錯綜(さくそう)し、領有権を主張するなどの混乱が深まっている。
南シナ海は、古くから周辺諸国の海上交通路として知られていた。しかし、面積が狭く水資源に乏しいため、生活には適さない小島が多く、沿岸から遠く離れた島々についての領土的な関心は低かった。19世紀にフランス帝国主義的支配がインドシナ半島東部に及ぶに至り、この地域に付随する島々としてスプラトリー(南沙)諸島などについてフランスが主権を求めた。1930年代には、すでに台湾を領土に編入していた日本とフランスの両国がスプラトリー諸島の帰属について争い、第2次世界大戦開戦に伴って日本が領有を宣言し併合した。太平洋戦争での日本の敗戦により46年には、中国(国民党政権)が接収。51年のサンフランシスコ条約署名により、日本が権利・権限・請求権を放棄したことで、中国はスプラトリー諸島を含む南海諸島全域の領有権を主張した。
70年代の後半になると、海底油田などの存在が注目されるようになる。90年代にかけては、東アジア諸国が急速な経済成長を遂げるにつれて、各国のエネルギー需要急増した。南シナ海の油田やガス田は、試掘が進まず十分データがないので資源の全容明らかではないが、周辺諸国にとって極めて重大な関心を呼ぶに至った。
国連海洋法条約(UNCLOS)では、海岸線から200カイリまでを排他的経済水域(EEZ)と定めるが、多数の島が散在し、かつ島の領有権が不明確な南シナ海では、その策定が困難である。タイランド湾の石油と天然ガスは、カンボジア、タイ、ベトナム、マレーシアがEEZを主張する海域にある。また、ナトゥナ諸島周辺にも大規模なガス田が存在し、インドネシア、中国、ベトナム、マレーシアの各国が領有権を主張している。スプラトリー諸島も各国が入り組んで複雑な権利を主張している。各国がいくつかの島を占拠・占領するなどして、軍事衝突も含む対立が深刻化している。2010年東南アジア諸国連合地域フォーラム(ARF)では南シナ海問題が取り上げられ、11年7月には中国とASEAN外相会議は南シナ海での協力推進をうたったガイドライン(指針)を承認した。しかし、中国は同国初の空母を南シナ海に配備する動きを見せ、海洋権益拡大への動きは活発である。11年に入ってからも、フィリピン資源探査船に対する中国艦艇の妨害や、米・フィリピンの合同軍事演習、中国の漁業監視投入などに関して、中比両国間で領有権を巡る激しい非難応酬が繰り広げられている。
( 金谷俊秀  ライター )

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2011」
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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

中国台湾、ベトナムがパラセル(西沙)諸島領有権を主張。スプラトリー(南沙)諸島については、これにフィリピン、マレーシア、ブルネイも加わって領有権を争っている。海域については、広く管轄権を主張する中国がフィリピンやベトナムの資源探査船や漁船を排除するなどして強い反発を受けている。石油や天然ガスなどの資源豊富海上交通要衝であることが背景だ。
( 2012-04-01 朝日新聞 朝刊 1外報 )


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南シナ海の領有権問題に近い言葉→領有権問題|東シナ海のガス田問題|南シナ海|南シナ海緊急出撃|東シナ海の底引き網漁|東シナ海天然ガス田開発問題|南支那海|東シナ海ガス田開発問題|台湾の主権問題|東シナ海

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