改訂新版 世界大百科事典 「南富良野」の意味・わかりやすい解説
南富良野[町] (みなみふらの)
北海道中央部,上川支庁空知郡の町。人口2814(2010)。空知川上流部の集水域を占め,東部は石狩山地と日高山脈の山地,西部は夕張山地の山麓である。集落は空知川沿いに点在し,中心集落はJR根室本線,国道38号線が通じる幾寅(いくとら)。明治中期に西部の金山付近に砂金採取者が入地し,1900年ごろ三重県から伊勢団体が幾寅付近に入植,開拓が始まった。ジャガイモ,野菜の栽培を中心とする畑作,製材・木製品工業などが行われる。また東鹿越で石灰石を産する。町域中央には67年に完成した多目的ダムの金山ダムとその人造湖の〈かなやま湖〉があり,東境の狩勝峠は十勝平野を一望する雄大な眺めで知られる。
執筆者:奥平 忠志
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