南方開発金庫(読み)なんぽうかいはつきんこ

世界大百科事典(旧版)内の南方開発金庫の言及

【円ブロック】より

…また満州や華北でも,日本の外貨資金不足のためのブロック内への輸出統制,資源の一方的略奪などの結果としての通貨の濫発が進み,インフレーションが急激に高進した。太平洋戦争への突入とともに,この円ブロックは〈東亜金融圏構想〉へと拡大し,円決済協定の締結による現地通貨の調達(タイおよびフランス領インドシナ),南方開発金庫設立(1942)による現地通貨表示での開発券の発行(1943),特別円勘定の設定などが行われた。しかし“点と線”(都市と鉄道沿線)のみの支配にとどまった日本側は,資源,軍費の調達をほとんどなしえず,通貨のいたずらな濫発のみが進行した。…

【銀行】より

…このため1942年4月戦時金融金庫,45年4月共同融資銀行,同年5月資金統合銀行が設立された。このほか1942年3月に南方開発金庫,45年2月に外資金庫も設立されている。
[敗戦と銀行制度の変化]
 第2次大戦の終結にともない銀行制度も著しく変化した。…

【軍票】より

…また,1940年中国の日本占領地で汪兆銘政府の中央儲備(ちよび)銀行が設立され,儲備券の流通拡大とともにその軍票化が進行した。南方占領地においては,従来の円表示にかえて現地通貨表示の軍票を発行したが,42年南方開発金庫が設立され,その南発券(南方開発金庫券)が軍票の役割を果たすようになった。【島 謹三】。…

※「南方開発金庫」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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