南部(和歌山県)(読み)みなべ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「南部(和歌山県)」の意味・わかりやすい解説

南部(和歌山県)
みなべ

和歌山県中部、日高郡(ひだかぐん)にあった旧町名(南部町(ちょう))。現在はみなべ町の南西部を占める地域。1897年(明治30)南部村が町制施行。1954年(昭和29)岩代(いわしろ)村を編入。2004年(平成16)南部川(みなべがわ)村と合併、みなべ町となる。太平洋に面する南部川河口にあり、海岸に沿う熊野街道(国道42号)と南部川に沿う龍神(りゅうじん)街道(国道424号)が分岐し、JR紀勢(きせい)本線が通じる。名称は、中世南部荘(みなべのしょう)にちなむ。江戸時代に始まるウメ栽培の発祥地で、現在では栽培地も拡大し、名産梅干しなどウメ加工の中心地となっている。またウメの開花期には、多数の観光客が梅林を訪れる。岩代(いわしろ)地区には有間皇子(ありまのおうじ)の結松(むすびのまつ)の伝説があり、熊野九十九王子の一社である千里(せんり)王子社(県指定史跡)など熊野街道(熊野古道)沿いに史跡も多い。アカウミガメの産卵地として有名な千里の浜(千里ヶ浜)は、県の名勝・天然記念物に指定されており、吉野熊野国立公園域。埴田(はねた)に、みなべ温泉と国民宿舎紀州路みなべがある。

[小池洋一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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