南部菱刺し(読み)なんぶひしざし

事典 日本の地域ブランド・名産品 「南部菱刺し」の解説

南部菱刺し[繊維・刺繍]
なんぶひしざし

東北地方、青森県の地域ブランド。
八戸市・上北郡七戸町で製作されている。薄藍の地に紺と白の糸を刺したものが、菱刺し。江戸時代には青森県南部地方農村で、農家作業衣前掛けなどとしてつくられていた。緯糸に沿って偶数の目をすくって刺していくと、横長の菱形模様ができるため菱刺しと呼ばれる。大正時代には、緑色赤色の糸も使われた。現在では、400種にも及ぶ多彩な紋様がある。青森県伝統工芸品。

出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域ブランド・名産品」事典 日本の地域ブランド・名産品について 情報

デジタル大辞泉プラス 「南部菱刺し」の解説

南部菱刺し

青森県八戸市などの南部地方に伝わる伝統刺繍。津軽地方こぎん刺しに似た刺し子の技法

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

世界大百科事典(旧版)内の南部菱刺しの言及

【刺子】より

…文様は身近な動植物からヒントを得たものが多い。また同県の南部菱刺しは,すべての文様を菱形に造型し,多彩な色毛糸を用いて刺されているのが特徴である。このほか,秋田,山形県に現存する刺子は,単純なぐし縫いの技法が多く,紺木綿の日常着あるいは野良着に,ちりめん刺し,枡刺し,山刺し,麻の葉刺し,さや刺し,かっこ刺しなどと呼ばれる刺子がなされている。…

※「南部菱刺し」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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