単斜晶系硫黄(読み)タンシャショウケイイオウ

化学辞典 第2版 「単斜晶系硫黄」の解説

単斜晶系硫黄
タンシャショウケイイオウ
monoclinic sulfur

硫黄の同素体の一つ.β硫黄.液体硫黄を95.4 ℃ 以上で結晶化させると得られる.淡黄色の針状晶.単位格子には王冠型八員環状の八硫黄分子が6個含まれ,同じ分子からなる斜方晶系硫黄とは,結晶中の分子配列に乱れがある点だけが異なる.室温では不安定であり,一か月放置すると斜方晶系硫黄に転移する.S8(斜方晶系) S8(単斜晶系)の転移温度は95.39 ℃.転移熱は0.40 kJ mol-1.転移速度は遅い.空間群P 21/c(C2h5)に属する単斜晶系結晶で,S-S0.2047~0.2057 nm.∠S-S-S105.8~108.3°.融点119.0 ℃.密度1.957 g cm-3(20 ℃).二硫化炭素エタノールベンゼントルエン可溶γ硫黄,シクロ-十硫黄(cyclo-decasulfur,S10,黄緑色)なども単斜晶系に属する.[CAS 7704-34-9]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android