博学鴻詞科(読み)はくがくこうしか(英語表記)bó xué hóng cí kē

改訂新版 世界大百科事典 「博学鴻詞科」の意味・わかりやすい解説

博学鴻詞科 (はくがくこうしか)
bó xué hóng cí kē

旧中国に行われた制挙の一つ。博学宏辞科ともいう。鴻詞とは優れた文章の意。唐以来この科目によって,たびたび試験を行ったが,清代に実施された2回が特に有名である。初回康煕帝の1679年(康煕18),明代の遺老を訪求する目的で行い,朱彝尊(しゆいそん)ら50名を及第させた。しかし明代すでに老成した大家はこの試に就くを屑(いさぎよ)しとしなかった。1736年(乾隆1)に行った制挙は15名を及第させたが,このときは成果に見るべきものが少なかった。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「博学鴻詞科」の意味・わかりやすい解説

博学鴻詞科
はくがくこうしか
bo-xue hong-ci-ke; po-hsüeh hung-tz`u-k`o

中国,清代の官吏登用法における雑途のなかの一科目。康煕帝のとき,臨時勅令常設科挙 (正途) 以外に学行兼備,文章卓絶の士を選抜するため設けたもの。詩賦の試験を主とし,合格者には翰林官を授けた。その起源は,北宋の宏詞科,南宋の博学宏詞科にならうものであった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android