危ぶむ(読み)アヤブム

デジタル大辞泉 「危ぶむ」の意味・読み・例文・類語

あやぶ・む【危ぶむ】

[動マ五(四)]事の成り行きが、悪い結果になるのではないかと不安に思う。あぶないと思う。「交渉成立を―・む」「卒業が―・まれる」
[動マ下二]あやうくする。苦しめる。
国家を既に―・めんとす」〈平家・七〉

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精選版 日本国語大辞典 「危ぶむ」の意味・読み・例文・類語

あやぶ・む【危】

  1. [ 1 ] 〘 他動詞 マ行五(四) 〙 危険だと思う。不安で気がかりに思う。また、不確かで実現しそうもないと思う。
    1. [初出の実例]「朕〈略〉宗廟(くにいへ)を保つこと獲て、兢兢(おそ)り業業(アヤブム)」(出典:日本書紀(720)継体七年一二月(前田本訓))
    2. 「今日の軍如何あらんずらんと危(アヤ)ぶみけるが」(出典:太平記(14C後)二九)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙 あぶない状態にする。危険なめにさらす。あぶなくする。
    1. [初出の実例]「兵を関中に擁し、劉氏を危(アヤブメ)て、自立せむと欲す」(出典:史記呂后本紀延久五年点(1073))
    2. 「身をあやぶめてくだけやすき事、珠を走らしむるに似たり」(出典:徒然草(1331頃)一七二)

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