世界大百科事典(旧版)内の原始反応の言及
【衝動】より
…衝動が,意志や理性による統御や加工を経ることなしに,そのまま行動として外界に現れてしまうのが〈衝動行為impulsive action〉である。クレッチマーはこれを〈原始反応〉と呼び,全人格の関与が棚上げされた状態で,突発的に問題行動などが起こる。衝動行為としては,古くから,窃盗症(クレプトマニー),放火症(ピロマニー),放浪癖(ポリオマニー),渇酒症(ディプソマニー),濫買症(オニオマニー)などが知られており,衝動精神病という概念もあるが,精神分裂病,鬱状態,異常性格,脳障害,癲癇(てんかん)などの一症状として生じることもある。…
【心因反応】より
…心因反応という用語はやや多義的な概念で,神経症をこれに含めないのが現在の一般の見解であるが,神経症ことにヒステリーを含める人もある。具体的には,いわゆる原始反応(衝動的,爆発性の短絡反応,驚愕反応,昏迷,朦朧(もうろう)状態など)のごとき強烈な体験刺激に直接ひきつづいて生じる低次元のもの(それゆえにヒステリー的な反応が含まれることがある)から,体験刺激に際して複雑な心理的加工が行われて症状が形づくられる種々の妄想的反応など(敏感関係妄想,好訴妄想,色情妄想,難聴者の迫害妄想,受刑者の赦免妄想,感応精神病など)を含んでいる。心因反応が成立するためには,心因となるべき十分な心理的体験が存在することは必須の条件で,心因が強烈なものであればあるほど反応をひき起こす確率は高い。…
※「原始反応」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」