原子価論(読み)げんしかろん(英語表記)theory of valence

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「原子価論」の意味・わかりやすい解説

原子価論
げんしかろん
theory of valence

原子価の構成理論。量子力学に基づくハイトラー=ロンドンの理論を基本に,J.スレーターや L.C.ポーリングによってこの理論は発展し,原子価結合法と呼ばれる理論体系がつくられた。一方では F.フントや R.S.マリケンらによって提唱された分子軌道法多原子分子に応用された。歴史的には J.ベルセーリウス二元論,J.B.A.デュマ一元論,F.A.ケクレによる結合の手の理論,さらに A.ウェルナーの配位説が提出されており,20世紀になって電子構造に注目した G.N.ルイス,I.ラングミュア八隅説が登場した。これらは現在の波動方程式を応用した原子価論の基礎となっている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android