原発震災(読み)ゲンパツシンサイ

デジタル大辞泉 「原発震災」の意味・読み・例文・類語

げんぱつ‐しんさい【原発震災】

地震による災害に加えて、地震に伴う原子力発電所事故で大量の放射性物質外部に放出され、被害を増幅させる、破局的な災害をいう。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

知恵蔵 「原発震災」の解説

原発震災

地震が街に被害を及ぼすと同時に原発にも事故を発生させ、通常の震災に加えて放射性物質による被曝(ひばく)でも多くの人が死ぬ大惨事をさす。原発から大量の放射性物質が漏れ出すと、被曝を恐れ、地震被災地に救援物資や応援部隊を送り込むことができなくなる。交通網の寸断避難も難しくなる。新潟県中越沖地震(2007年7月16日)で東京電力柏崎刈羽原発が想定を超える揺れにより損傷した。この直後、英紙「タイムズ」は記事の見出しに「GenpatsU-shinsai(原発震災)」という単語を使い、「ツナミ、カミカゼヒロシマ。日本は世界に数々の『死の言葉』を提示してきたが、今また恐怖の言葉を加えようとしている」と書いた。東海地震など大地震が想定される地域では、原発を批判する市民団体が原発震災の危険性をアピールし、反原発の署名運動を展開している。

(渥美好司 朝日新聞記者 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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