厨（読み）チュウ

デジタル大辞泉

ちゅう【厨】［漢字項目］

［人名用漢字］　［音］チュウ（漢）　ズ（ヅ）（呉）　［訓］くりや
〈チュウ〉
１ 台所。炊事場。くりや。「厨人・厨房／庖厨ほうちゅう」
２ ひつ。はこ。「書厨」
〈ズ〉ひつ。はこ。「厨子」
[補説]「廚」は正字。

くり‐や【^×厨】

《「涅くり屋や」の意で、黒くなっているところから》食物を調理する場所。台所。
[類語]台所・キッチン・勝手・厨房・ダイニングキッチン

ず【厨】［漢字項目］

⇒ちゅう

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

くり‐や【厨・庖・厨家】

1. 〘 名詞 〙
2. ① 飲食物を調理する所。台所。
   1. [初出の実例]「一人を以て廝(クリヤ)に充てよ」(出典：日本書紀（720）大化二年正月（北野本訓）)
3. ② 「くりやびと（厨人）」の略。
   1. [初出の実例]「くりや、ざふし合はせて五人ばかり、別当、預どもつきたり」(出典：宇津保物語（970‐999頃）藤原の君)
4. ③ もてなすこと。饗応。
   1. [初出の実例]「有厨御贄、一献左大臣、不令献者飲」(出典：小右記‐長徳三年（997）一〇月一日)

出典　精選版 日本国語大辞典

日本歴史地名大系

厨
くりや

• 福岡県：久留米市
• 旧御井郡地区
• 枝光村
• 厨

南北朝期から戦国期にかけてみえる地名。栗屋とも。現合川（あいかわ）町の栗屋町（くりやまち）に比定される。建武四年（一三三七）三月二三日の荒木家有軍忠状（荒木近藤文書／南北朝遺文（九州編）一）に「筑後国符栗屋口」とみえ、中世都市筑後府中の外縁上にあったと推定される。「高良玉垂宮神秘書」に神・仏事を進退する「三人ノフキヤウシヤ（奉行者）」、地域共同体の長として高良（こうら）山に奉仕する「十二人ノヲトナ（乙名）」の双方に当地名「クリヤ」を負う者がみられ、後者は近世の高良山目代厨家となる。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」

知恵蔵

厨

「厨房」のページをご覧ください。

出典　(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

世界大百科事典（旧版）内の厨の言及

【麻姑】より

…麻姑の言葉の中でも，長生きをして東海が3度まで桑田となるのを見たという〈滄海の変〉の語が有名である。麻姑降臨の幻想的な筋書は，道教教団が7月7日に行った厨（ちゆう）の儀式と関係するとされる。なお麻姑は爪が長く，蔡経は背中がかゆいときにかいてもらえば気持ち良かろうと考えたとあり，いわゆる〈孫の手〉は実は〈麻姑の手〉のことだという。…

※「厨」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」