普及版 字通 「去(漢字)」の読み・字形・画数・意味
去
常用漢字 5画
[字訓] さる・すてる
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 会意
大+(きょ)。大は人の正面形。は、盟誓の器の蓋を外し無効としたもの。獄訟に敗れた人(大)を、その自己盟誓の器()とともに廃棄する意。水に流棄するを法、羊神判に用いた(かいたい)のをも加えたものはで、法の初文。みな「(はら)う」ことを本義とする。廃棄の意より、場所的にそこを離れることをいう。〔説文〕五上に「人相ひ(さ)るなり。大に從ひ、聲」とするが、字は(法)との関連において解すべきである。
[訓義]
1. さる、すてる、はらう、のぞく。
2. はなれる、たちさる、たちのく。
3. ときがすぎる、むかし。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕去 サル・イヌル・マカル・ヲサム・ヤル・ミタシネ・スツ・ツカハス・オハシヌ・イマシヌ・サケマク・トホシ・ウス・シヌ・シリゾク・マカス・モテイテ 〔字鏡集〕去 ユク・サル・スツ・スタル・ハシル・ソムク・オサム・シリソク・モチイテ・ツカハス・イマシヌ・イヌル・ウス・シヌ・ノゾク・オハシヌ・ヤル・マカス(ル)
[部首]
〔説文〕になど二字を属する。は〔説文〕五上に「去るなり」と訓し、曷(かつ)声。曷は屍骨の(かい)に祝詞の曰(えつ)を加え、その呪霊に訴えて祈る呪儀。喝して禍殃を去ることを(けつ)という。
[声系]
〔説文〕に去声として・・など八字を収める。は〔広雅、釈詁二〕に「去るなり」とする。〔玉〕にその字はなく、去の繁文とみてよい字である。
[語系]
去・khiaは同声。khiatも声義近く、みな邪悪を去り、祓う意がある。
[熟語]
去礙▶・去格▶・去楽▶・去官▶・去帰▶・去去▶・去郷▶・去月▶・去後▶・去国▶・去歳▶・去子▶・去思▶・去事▶・去失▶・去日▶・去者▶・去邪▶・去取▶・去舟▶・去就▶・去住▶・去春▶・去処▶・去職▶・去世▶・去声▶・去勢▶・去斥▶・去籍▶・去知▶・去智▶・去程▶・去任▶・去佞▶・去年▶・去婦▶・去来▶・去離▶・去留▶・去路▶・去臘▶・去穢▶
[下接語]
委去・遠去・化去・呵去・過去・解去・帰去・起去・棄去・吟去・去・好去・去・高去・去・刪去・死去・辞去・七去・失去・卒去・除去・人去・尋去・逝去・仙去・大去・退去・去・脱去・剔去・去・撤去・転去・逃去・去・排去・飛去・避去・婦去・放去・亡去・来去・老去
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報