参加とは政治的意味で使用されるとき、次のようになる。普通平等参政権が一般化するプロセスの下で、国民の政治への参加が重要な意味をもってくる。議会政治が確立され、政党政治が定着するなかで、市民の政治参加の要求は高まり、とくに、第二次世界大戦後の世界において、その力を増してきた。参加民主主義という概念は、議会デモクラシーという今日的政治システムにおいては重要なものであり、政治の主役となった一般国民大衆の重さを示すものでもある。とくに、今日その存在感が強まったのは、政党政治が空洞化し、議会がその本来的機能を失ってきたとき、圧力政治という政治の本質から、圧力団体・利益団体とともに、市民の参加が拡大したからである。圧力団体や利益団体の政治への参加は、圧力となり、政治が一部の団体の私的要求でゆがめられる形となる。その弊害は、政党の無力化とともに、今日の大きな問題点となっている。これに対し、国民が政治に参加し、そのニーズ(要求)を政治の場で表明し、具体的な政策として実現してゆく方法は、議会や政党や利益団体などの政治への参加による。日本においては、1960年(昭和35)の反安保の市民運動や、公害反対運動、そしてベトナム反戦運動などがその例とされる。一方で、自民党の個人後援会なども、ある意味で参加の政治であり、大きな意味をもつ。アメリカでは、コモンコーズなどの組織が有名であり、ドイツの緑の党などさまざまな方法で、政治にまた議会に自らの代表を送って、参加民主主義を具現化しているのが今日的傾向である。
[福岡政行]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
…他人間に係属する訴訟手続に第三者(参加人)が訴訟行為をなすために加入すること。
【民事訴訟】
参加とは,自己の名においてその利益を守るために(代理と異なる),他人間の訴訟手続で訴訟行為をなすために(この点,証人や鑑定人と異なる),自己のイニシアティブで(この点,当事者の申立てによる訴訟引受けと異なる)行われる。…
※「参加」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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