反魂丹・返魂丹(読み)はんごんたん

精選版 日本国語大辞典 「反魂丹・返魂丹」の意味・読み・例文・類語

はんごん‐たん【反魂丹・返魂丹】

〘名〙
① 中国の霊薬の名。死人の魂を呼び返すという。〔神仙感遇伝‐巻五・楊大夫〕
② 木香(もっこう)陳皮(ちんぴ)・大黄(だいおう)黄連(おうれん)熊胆などから製した丸薬。霍乱(かくらん)・傷・腹痛などに効くという。古くから中国にあったもので、日本では元祿一六八八‐一七〇四)頃から富山の薬売りが全国に売り始め、富山藩が保護・奨励したことによって広まった。江戸では享保年代(一七一六‐三六)に柳原同朋町の心敬院で製し、芝田町の堺屋長兵衛などが販売した。紫霊丹・麝香丸ともいう。
雍州府志(1684)六「返丹 一名麝香丸、足利家之良方、而畠山家亦伝之、一切積聚食傷霍乱等用之、則無験、是又倭方之内特為奇」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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